オノボリズム 中。
東京の地理を全く知らないくせに、
何故か地図を持つのが邪魔くさくて持っていない。
いや、正確には手書きby自分のおのぼりマップがある。
が書いて有るのは「東京タワー」とか「ガーナ」とか。
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あぁ・・・。意味が分からん。
何?昨日呑んでたか?俺。
いや、昨日はコレで行けると信じていたんだな、きっと。
動く方向が分からず、身動きの取れない中、もはや手は無い。
このオノボリマップを見るに、目的地は西の方角。
太陽の位置を確認し、西の方へ走り出す。
しかし東京恐るべし、道は真っ直ぐ延びず、
北へ行ったり、南へ向いたりして戸惑わしてくれる。
看板地図見たり、青看板を見上げたりしている内、
「お、何か分かってきたぞ・・・違うか」x5回位の後、
何とか地図を書いていた時の記憶にある地名が出て来はじめ、
あのT字路の角に・・・輝くのは自転車の群!
目的地のビルに入ると、久し振りのあの人この人が居て、
着いた事の安心感に浸・・・っている場合では無い。
会場ではすでに今日のお目当てである「KLUNKERZ」が始まっている。
積もる話もあるけれど、後ろ髪引かれながら会場であるBollRoomへ。
ドアを開けると、普通に映画館みたい。
皆の顔が青く照らされている。
振り返るスクリーンには、
ブーツィー・コリンズの様なメガネをかけたゲイリー・フィッシャーが。
とりあえず席を探すと、見慣れた京都人が手招きしてる。
早いな、来んの。いつ来たん。なんて言いたいけれど、
それよりなによりスクリーンに喰いつく。
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内容は至って下らん内容で、
いい年になったオッサンが、昔を懐かしんで目を細め、
だらだら夢見心地の話を続ける合間に、
昔の8mmの映像や写真が挟まれる。
ただそれだけ。
でも、損した気にはならなかった。金も時間も。
俺の好きなマウンテンバイク。
その存在を意識した時には、すでに完成された姿で在った。
だから自分にとってのマウンテンバイクは、そこから。
でも、当然それ以前からマウンテンバイクは在って、
もっと言えば、マウンテンバイクと呼ばれる前からも在った。
それが様々な偶然やドラマを経て、タンポポの綿毛の様に遠く運ばれ、
NS50Fで醍醐のシングルトラックを無理矢理下って遊んで居た自分の、
脳天に着地し、根を張り、今に至る。
それは当然の事で、文字で読んで知ってはいたけれど、
「レジェンド」なんて呼ばれるオッサン達が、
時に毒づき、時に愛しい瞳でその時間を語るのを見て、
分かった気になっていた事を、またほんの少しだけ分かった気になった。
オッサンの思い出の10分の1の10分の1の10分の1、体験出来た様な。
昔の人 ゲイリー・フィッシャーがなんぼのもんやねん。
トム・リッチー?髭のおじさん?
ジョー・ブリーズ?どうなったのブリーザー?
マイク・シンヤード?問屋の人ね。
要は金儲けが上手かったか下手だったかが現状だろう?
そんな今の目線からで、馬鹿みたいな事を言っていた自分を恥じるね。
彼らは伝説なんかでは無い。
しかし、MTBの親ではある。
彼らがなければ、今、自分はMTBに乗っている事なんて在り得なかった。
もっと言えば、シマノもそうだし、他の色々も含め、
先人の諸々の上で、今の自分は遊ばして貰っている。
良くない色々も有ったろう。
しかし、それでもなんでも、自分等は「子供」なんだ。
もう、胸一杯でね・・・。
その後のチャンクバイクの映画「B.I.K.E.」を見る気にもなれず、
チケットをポケットに押し込んで、とにかく自転車に乗りに行きましたとさ。
つづく