オノボリズム 下。
映画が終わり、灯りが点くと、
離れて暮らす知人の顔が其処此処に。
久し振りで嬉しいね、別に何も無いんだけどね。
色々話したい事もあるけれど、日帰りの今日では消化不良必至。
なのでスパッと諦め、外行こう外!と、
京都人二人と連れ立って、東京の懐へ飛び込んだ。
何となく道が分かるというOGUに連れられ、東京の道を行く。
凄まじい路面駐車に慄きながら、左を注意しつつ走っていると、
スッと出て来た高級車。
走り行く白のベントレーの、Vシネマの様な後姿を見つめながら、
脳裏に浮かんだ事は、
「あの白のベントレーの後ろは・・・全盛期の梶原一騎の顔に似ている」
その事を、同行人に伝えようとするも、
「あぁ、はいはい、乗ってそうね、梶原一騎ね。」
違う。グラデーションのサングラス掛けた、四角い顔の梶原一騎に見えるんや。
と、説明したいが、その時には既に梶原一騎は車の波に掻き消されていた。
車の流れも速いぞ、東京。
東京の地形を、腿の負荷に変換して感じながら、
キョロキョロして見つけた六本木ヒルズ。
ならばあの麓辺りが、たしかサイクレックスの事務所だったはず、と、
うろ覚えの記憶を頼りに行く。そして無事リーチ。
サイクレックスの前から、民家の隙間を通して見える六本木ヒルズ。
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Resistantは切られて折られて縫われて、此処からやって来るんだね。
折角東京に来たんだし、まだ日は高い時間だし、さて次は何処に行こうか、
と、京都からResistantへの出稼ぎ女工さん チエちゃんに道を聞くと、
「東京はね・・・広いよ?京都とは違うよ?」と一言。
だからと言って、このまま最寄の駅から輪行して帰る訳にもいかんので、
地図を見ながら、脳内にオノボリマップ2を作成&発進。
他に目的地の有る同行の二人とは途中で分かれ、
「輪界の琴欧州」ことサンタ君の労働参観をしようと「トレイルストア」さんへ。
店内は正統派MTBショップって感じで、逆に新鮮。
店の裏は大きな公園、試乗車を借りて少し散歩。
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木が生え枯葉積もり、噴水が有り、
幼児が鳩を追い、老人がそれを目で追い、
何をするでもなく、沢山の人が憩っていた。
絵の中の様だ。良いね、ここ。
「ちょっと乗っといで」と、渡されたチャージ ダスターを駆って来た事ですので、
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タイヤの裏で、木の根っこをそっと踏みしめながら、MTBに恋焦がれる。
こらある種の借景か。
この公園が有る事で、トレイルストアさんの魅力がとても光る。
良いね、こんな所で仕事が出来るなんて。
なんて、与太話もそこそこに、お暇し、来た道以外の道を行く頃、
日はもう暮れ始めていた。
そうか、冬なんやなぁ。
東京、来る度に悪く無いと思うようになっている。
道に迷えば迷うほど、目の前を面白いモノが行き過ぎる。
でもこの街は面積だけでは無く、情報量があまりにデカ過ぎて、
自分にはとてもそれを処理出来そうに無い。
この街に住むには、時に現実感を捨てて、
目の焦点を少し暈す様な技術が必要なのかもしれん。
塔ってCGに見える時が有って、思わずジーっと見てしまう。
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でも、もしこの塔が本当に絵だとしても、東京では誰もそれを気にしないかも。
物事のスケールが違うんだね、きっと。
読んで字のまま、モノサシが違う。
だから、モノの重要度も違う。
無理に比べようとすると変な事にしかならんわ。
ゲイリー・フィッシャーの話を聞いて、当然憧れもあるやけんど、
あの時代はあの時代のモノサシだったんだろうし、
それを今のモノサシに無理矢理当て嵌めて、クランカーで大滝走っても、
絶対にフィッシャーにはなれない。
無理して今の日本に当て嵌めると、フィッシャーも、
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こんな事になってまうかもしれんしな。
だから帰って、地元の山を走って遊ぼう、それが自分のスケールさ。
あばよ東京、また会う日まで。
おしまい